とある管理栄養士のブログ

平成生まれ/3児の父/管理栄養士/日常のことから専門的なことまで

加工助剤・キャリーオーバーについて

 

nut-naru.hatenablog.jp

 

以前、こちらの記事内に「加工助剤」「キャリーオーバー」という言葉を用いました。

そこで今回は「加工助剤」「キャリーオーバー」について書いていこうと思います。

 

 

 

日本だけでなく食品における基準はどこの国においても厳しいものがあります。

「食べられればなんでもいい」というわけではないということです。

そんな中厚生労働省では食品に関する基準を明確に設けているのです。

 

そこに加工助剤・キャリーオーバーも入っています。

 

まず定義ですが

「加工助剤」

定食品の加工の際に使用されるが、(1)完成前に除去されるもの、(2)その食品に通常含まれる成分に変えられ、その量を明らかに増加されるものではないもの、(3)食品に含まれる量が少なく、その成分による影響を食品に及ぼさないもの。

 

 

「キャリーオーバー」

原材料の加工の際に使用されるが、次にその原材料を用いて製造される食品には使用されず、その食品中には原材料から持ち越された添加物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていないもの

 

 

とされています。

食品添加物として使っても最終的に食品の中にはほとんど残らない(又は増えることのない)のであれば表示する必要はないということです。

 

しかしながら表示しないことのリスクを負うより

予め表示してリスク回避できるのであれば・・と考える企業がほとんどかと思います。

 

偽装表示などの事件も時々ありますが「表示がすべて」である以上

表示内容を信じて買うしかありません。

 

加工助剤やキャリーオーバーという仕組みもあるということを知って頂くだけで

食品添加物に対するイメージも少しずつ変わっていけたらなと思います。

 

 

次はある「食中毒」についてお話ししたいと思います。

整い次第公開していきます。

コチニール色素とは

なかなか更新できずに間が空いてしまいました・・・。

今回は以前からお話ししていた「コチニール色素」についてです。

 

敏感な方は間違いなく聞いたことのある食品添加物だと思います。

 

最近になり身近になってきた「昆虫食」とも関連のあるものです。

 

ここではあえて画像などは表示しませんが

単刀直入にいうとただの「虫」です。

 

南米のサボテンが多い地域などで捕れる虫です。

 

「虫」というとあまりいい気はしません。

 

 

ただ、日本では食品添加物としても認められているものですし

安全性については保証できます。

 

それに古くから世界各地で着色料や染料として用いられてきており

人口の着色料とくらべても安全性はかなり違います。

また、世界的にも使われている理由としてコチニール色素は「発色が良い」というメリットもあります。

実は食品以外にも「化粧品」に使われるほど。

その発色の良さはコチニールにしか出せないといっても過言ではないでしょう。

 

 

 

しかし、メリットもある反面デメリットも存在します。

その一つとして挙げられるのは「アレルギー」です。

 

前述したように「コチニール色素」はカイガラムシといわれる「虫」です。

例えば「コオロギは貴重なタンパク源」といわれるように

虫には「タンパク質」が含まれます。

タンパク質というのはアレルギー源となる物質で食べると蕁麻疹や

重い症状にはアナフィラキシーといった全身症状を起こし最悪死に至るものです。

 

 

つまり、

コチニール色素」が入っているものを食べる(もしくは化粧品を使用する)とアレルギー症状を起こす方がいるということになります。

このようなリスクがあることから日本ではコチニール色素のタンパク質部分を低減化する(0にはできない)技術もありコチニール色素を摂取してもアレルギー症状を起こす危険性は少なくなってきたといえます。

 

しかしながら、タンパク源は0にできないため依然としてアレルギー症状を起こすリスクはあります。

 

こうしたことから最近の食品では

コチニール色素以外の赤色を使う場合も多くなってきました。

赤色が使われている食品の成分表示を見るとコチニール色素ではなく

「紅花」や「赤色〇〇号」など別のものが使われているものも増えてきている印象です。

(赤色のかまぼこはコチニール色素が多いです。これは色素の発色・反応の関係のようです。)

 

 

発色は良いがアレルギー症状を起こす危険性もあるコチニール色素。

デメリットもありますが、世界的にも長く使われてきている色素。

その発色の良さはほかの色素にはなかなか出せないものであるとの裏付けでもあります。

それに加え最近の技術でたんぱく質も低減化できるようになりアレルギーのリスクも少なくなっているといえます。

 

昨今の食品に対するシビアな視線はありますが、注意喚起等も徹底し

アレルギー体質な方は避けるなどうまく利用していくことが大切だと思います。

 

 

食品添加物のお話 消泡剤続き

 

nut-naru.hatenablog.jp

 

以前こちらの記事にて

食品添加物 消泡剤」について

豆腐を例に挙げ、お話ししました。

 

今回はその続きとなりますが

「こんなところにも消泡剤が!」ということで第2弾となります。

 

では豆腐以外にどんなところに消泡剤が使われているかというと

なんと「油」にも入っています。

 

油といってもサラダ油、ごま油、オリーブオイルなどなど

様々ありますが今回の油は主に「業務用の揚げ油」です。

 

「業務用の揚げ油」といっても一般家庭ではほとんど使われません。

(業務用なので)しかし、家庭では使われませんが業務用ということはスーパーのお惣菜や、飲食店では常時使われていることになります。

ということは家庭では使わないけれど、口にする機会は少なからずあるということです。(お惣菜や飲食店を利用しない方は除く)

 

最近では業務スーパーも身近になり行く機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。

業務用スーパーなどにいくと必ず一斗缶に入った油が売っています。

これが業務用の揚げ油になるのですが、こちらを見ると「消泡剤(シリコーン樹脂)」が入っています。

 

ではなぜ揚げ物に使われる油に消泡剤が入っているのかという疑問ですが

お家で揚げ物をやったことがある方は気づいたかもしれません。

 

衣がついたものや唐揚げなどのお肉、お魚、これらの揚げ物をすると次第に油が泡立ってきませんか?

 

そうです、この泡を消すために消泡剤が使われます。

 

一度経験すると油の泡立ちほど厄介なものはありません。

泡が立ちすぎて揚げ加減がわからなかったり、高温の泡が鍋から噴き出してきて危ないなど「泡がなければ・・・」と思うことがあります。

 

これが一般家庭ではなく、大量に調理するお惣菜屋さんや飲食店ではさらに大変なことになります。

 

揚げ油に泡が発生してしまうと前述したように揚げ具合(衣の色)がよくわかりません。

「きつね色になったら」なんてことができなくなります。

さらに、温度も一定にならず加熱不十分で食中毒の原因にもなりかねません。

生の肉や魚を揚げることが多く重大な食中毒につながる恐れがあります。

 

そういったリスクを回避するためにあらかじめ「消泡剤」を入れておきます。

消泡剤が入っていることで油が泡立つことはまずありません。それも時間がたっても泡が立つことがないのでたくさん揚げ物をするのに効率がいいです。

大量に調理する場面では必要不可欠な食品添加物といえます。

 

一般家庭で使う油には消泡剤を入れる必要性がありません。

というのも一般家庭で揚げ物を常時大量にすることはほとんどないと思います。

(家での揚げ物ホント大変・・・)

 

それでもしょっちゅう揚げ物をするご家庭があるとするならば業務スーパーなどで業務用の揚げ油を買うのもアリかもしれません。

ただ、一斗缶なので16Lぐらいあります・・!

 

 

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お題:ささやかな幸せ

お題「ささやかな幸せ」

 

他人にとってはそうでもないけど

自分にとってはちょっと幸せな瞬間

誰しもあると思います。

 

私はズバリ

「仕事から帰ってきて靴下を脱ぐ瞬間」

「あえて水分補給を我慢してから飲む炭酸飲料」

 

パッとこのふたつ思いつきました。

 

 

 

まず、靴下ですが

これは結構共感できる方いるのでは?

と思います。

 

特に夏場なんかは

脱いだ瞬間の爽快感!

さらに言うとたくさん歩いた日なんかは

靴下を脱ぐと同時に疲労感も一緒に取ってくれるような。

 

 

 

2つ目の

水分補給を我慢して……

というのは健康上はやってはいけないものです。

脱水の危険もありますし、熱中症で急に倒れたりなんかもします。

あえて水分補給を我慢してなので

限界突破するまでではなくある程度喉乾いたな〜

と思って飲む炭酸飲料です。

 

お酒が飲める体質であればビームなんか美味しく飲めるんでしょうがイマイチ分かりません……。

 

 

健康のお話ではありませんが

ちょっと道を逸れてみました。

 

次は食品添加物の「コチニール色素」について

お話できたらなと思います!

 

 

 

訂正

 

nut-naru.hatenablog.jp

 

ブログ開設当初は「医薬品登録販売者」としても働いておりましたが

その後転職を経て、本職の管理栄養士として勤務することになったため

「医薬品登録販売者」の資格は使わなくなりました。

 

そのため今後のブログの方針として管理栄養士にまつわる部分のみ発信していくこととなります。

 

すでに公開しております「食品添加物」のように

日常のことをわかりやすく伝えることができるよう精進してまいります。

 

今後ともよろしくお願いします。

食品添加物のお話

食品添加物

と聞くと「身体に悪そう」「無添加の方が良いって聞くけど」など

意外と悪いイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。




厚生労働省食品添加物について・・・

食品添加物は、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
厚生労働省は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。

現在の日本の基準では「安全なもの」に限り使用を認められています。

つまり、食品に使われている食品添加物は国で認められ、安全性についても確認できたもののみ使われているので食べてすぐに身体に異常が起こるなどの心配はありません。

また、中長期的に食べ続けても体に及ぼす影響は極めて低いという評価をしています。

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資格について

管理栄養士はご存知の方多いかと思いますが

医薬品登録販売者は意外と知られていません。

 

市販薬を販売しているお店には必ず常駐していなければならない資格者です。

病院の調剤薬局なんかにもいます。(基本は薬剤師ですが)

 

市販薬には簡単に言うとレベルが設けられており

第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品があります。これらの薬を扱うには薬剤師もしくは医薬品登録販売者の資格が必要となります。(法令で定められております)

(リポDのような指定医薬部外品は資格がなくても扱えるのでコンビニ等でも置いてあります)

 

 

2人の息子を子育てしているなかで

やはり問題となってくるのは「風邪」ですね。

保育園や幼稚園など集団生活を始めると「必ず」と言っていいほど風邪を引いてきます。

 

「どうしてすぐ風邪ひくの?」というくらいの頻度で風邪をひきます。

でもよくよく考えてみると自分も同じくらいの時はしょっちゅう風邪引いてましたね…。

 

 

よく風邪をひくので

どのご家庭でも「かかりつけ医」の小児科などを持っているかと思います。

 

しかし、時節柄

「他の病気貰ってきたら嫌だし…」と気にされる方もいらっしゃると思います。

それに加え、土日に入ると風邪をひいて「病院休みだ!」なんてことも…。

 

そうは言っても

「一時的でも楽にさせてあげたい」

そう思うのが親心です。

 

 

そうなると最後の選択肢は「市販薬」なのです。

 

 

次回は「子どもがまだ小さいけど使える薬はあるのか?」

というようなテーマで書いていきたいと思います。